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午睡

2009.01.14 *Wed
 日常の1コマ──…

 

「……、ん…」
 身動ぎして目を開ければ、頬を撫でる風、というにはやや冷たすぎる風が肌を刺す。視界に広がる天井のグレーもまた、冷たさを感じさせる。
 見慣れない天井に此処は何処かと考える間もなく溢れかけた欠伸を噛み殺した、そんなボクが唯一温もりを感じているのは背中だった──背中?
 背中から抱きしめられるのが好きで、たまにダンテもそうしてくれるけれど……そのまま眠ってしまったことなんて一度もない。第一、彼の腕はもっと──……
「あ、エルさんお目覚めっスか?」
 背後から、否、至近距離から遠慮がちに耳を擽ったのは何だかくぐもった隼人の声だった。
「え、えっ!?あれ、な、なな何で……!?」
 状況が飲み込めずあわあわするボクの顔は、きっとダンテなら噴出すくらい赤いと思う。
 でも…幸か不幸か、背後にいる隼人には動揺は声でしか伝わらなかったらしい。
「根詰めすぎじゃないっすか?センター間近だし、風邪引いて倒れたりしたら元も子もないっスからね」
「……う、うん、ありがと……?」
 ボクのことを気遣う言葉には、この状況に関するヒントは含まれていなくて。寝起きのハッキリしない、しかも同様した頭で…ぼんやりと、状況の整理をする。センター間際なのに部室に顔を出したボクは、隅にあるテーブルを借りて数学の過去問と取っ組み合うことにさせてもらったんだよね。眠い目を擦りながら問題解いてた記憶はある、んだけど──……
 意を決して振り返ると、真っ赤な顔に驚いたように隼人は何度か目を瞬いた。ほんのりと、彼の頬も赤い、ような気がする。
「あの、ボクどうして…何が?」
「居眠りしちゃったみたいっスね。俺が来た時に、ちょうどバランスを崩して」
「あ、なるほど…ごめん、ありがとっ!」
「お気にならさず、俺もちょっと役得でしたし」
 視線で示された先を見ると、ボクが座っていたはずのイスがひっくり返っている。
 どうやら、ギリギリで隼人が抱きとめてくれた…ってコトらしい。ダンテなら寝顔に落書きの1つもするんだろうけど、じっと抱えててくれたのは隼人の優しいところだと思う。でも、一言多いのは…アメフト部員の性かな…、うう、思考回路がえちぃよ…!!
「あのさ…どれくらい寝ちゃってた?」
「計ってないっスけど、10分くらいじゃないっスかね」
 気にするなと、ニッと笑って。立てますか、と声を掛けられた。軽く頷き慌てて立ち上がろうとするボクの上にはウィンドブレーカー。
 立ち上がったボクの差し出した手を断ってひょいと立ち上がると、隼人は軽やかに笑った。
「何度も言っちゃいますけど…根詰めすぎちゃ駄目っスよ?」
「うん、そうだよね…ありがと」
 イスを起こしてくれた隼人の肩にウィンドブレーカーを掛けるボクは、しゅんと肩を落としていたらしい。掛けた上着をまたボクに掛け、風邪予防っス、と白い歯を見せた。
「それじゃ、練習に戻るスね」
 さり気なく部室を出ようとした隼人は、ふっと振り返り…照れ隠しのように悪戯な笑みを浮かべて、言った。
「事故っスけど……ダンテ君には内緒にしといてくださいね」
「い、いい言わないよ!?ほら、練習練習っ!ボクも後でグラウンドにも顔出すからねっ」
 真っ赤になって投げたボールを軽くキャッチし、笑いながら後ろ手に扉を閉めた。
 ウィンドブレーカーに残るのはボクの体温だけど…それは彼の心の温もり。
 両頬を叩いて気合を入れなおすと、冷たいイスに腰を下ろし、再び過去問に向き直った。
「はぁ……あと三日か。頑張らなくちゃ!」

【了】

**********
以下背後:
 お休み中の隼人君をお借りしました(*ノノ)
 背後様から許可を頂いたのをイイコトに、これからもお帰りになるまで借りていこうかと…!ひと時のお別れからようやく立ち直れた背後です、こんばんわ。
 さて、馬鹿娘さんもセンター試験間際のようです。臨ちゃん背後様にしか言ってないですが、冬になってからこちら、馬鹿娘さん的に進学後の具体的な目標をこっそりと抱いているので、受験勉強も頑張っているみたいです。ヤマカンで成績維持できてたのが役に立つとは思いませんでした(笑)
 でもなんだか馬鹿娘さん、入試もヤマカンで乗り切ってしまいそうな気がしますがっ。
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