スポンサーサイト

--.--.-- *--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

掌の約束

2008.12.20 *Sat
『百年前夜 ~約束のクリスマスツリー』
 っていうね、参加してたイベシナが戻って来たんだけど、うん。
 ……乙女回路のスイッチが入ったのは千夜子のせいだと思うんだ(真顔)

 まだダンテに見せてないから消すかもしれないけどね!

 で も ね ! !

 …満足(*ノノ)

 プレイングは膨らませてこそプレイングだ、って、背後が言ってた。(天道総司君のノリで)

*****

 二人で出かけるのは初めてではないのだけれど。
 ……それでも、周りがカップルだらけというデートらしいデートは初めてで、誘ったエルは所在なさげにきょろきょろと周りを見回した。

(※長文注意)

 モミの大木が林立する常緑の森。
 枝の切れ間から星空が降るその場所で吐く息は白く空気を染め上げる。
 そんなムーディーな空間を、寄り添う恋人たちの姿が、甘やかに演出している。

(ボクが誘った、ん、だけどさ……!)

 憧れのきゅんきゅんデート。でも、どうやらこの空気はエルの肌には合わないらしい。
 ドキドキしすぎて心臓が痛い──折角のデートなのに、隣に立つことすら苦しくて、距離をおく。

(…さむい)

 ぶるりと身を震わせたのはダンテだった。
 寒がりな恋人がマフラーを巻いていないことには気付いていたけれど、マフラーを貸すことも何だか照れ臭い。

(…忘れたのかな?)
(また貸してくれるかもって思ったケド……なんか貸してくれなさそう?)

 内心でしょんぼりとする恋人にも気付かない始末。
 近付いて手を繋ぎたいし、周りの恋人たちのように二人の世界に入ってみたいけれど。
 だけれど離れすぎるのも寂しくて一歩近付き、周りの恋人たちのムードに負けて一歩離れる。

(って、アレ?なんかいつもよりちょっと距離が?)

 内心でショックを受けるダンテ。
 しかし、やはり自分でいっぱいいっぱいなエルはそんな幸せな想いに気付くこともなく。

 …甘い空気を想像するだけで心臓が締め付けられてしまうのだから、やっぱりこの空間は苦手なのだと結論付けた。


 微妙な距離を保ったまま歩き続ければ、背の高い森が途切れる。
 空き地の隅では誘いの言葉を掛けた運命予報士が苗木を配っている。

 1本だけ、苗木を受け取り…まだ人の少ない一角に陣取る。

 100年後まで守りたい約束と考えればとてもロマンティックな話。
 けれど、100年後まで証人がいる約束──そう考えればとてもとても重い約束だ。
 片や、悩みに悩んだ末、約束が思いつかなかったダンテ。
 片や、妙に乙女チックな約束しか思いつかなかったエル。

 そっと土を掻き分けて、苗木をそっと置く。
 あとは約束を胸に、しっかりと土を被せれば完了だ。

 対面にいたはずのダンテが、気付けば暖を取るように、いや寄り添うように、エルの隣にしゃがみ込む。

「エルさんどんな約束します?」
「え?えと…あのね…」

 胸に秘めているのならともかく、口にするには恥ずかしい。
 悶々と身を捩り、30センチ差から数センチの差に縮まった耳元へと、小さく囁いた。

「望んで貰える限り、傍に、一番近くにいます……って。こんなのでごめんね」

 聞いている方が照れそうな約束。
 乙女回路のスイッチが入ったのだろうか、当然のように耳まで真っ赤になったエルが支える苗木に、いつも通りの笑顔を浮かべてダンテが手を添える。

「じゃあオレもそれにしよ。一つの約束一つの苗木のほうが、イイですもんネ」

 不意打ちで返された、回路をショートさせるような言葉に心臓が跳ねる。
 けれど、浮かぶ人懐こい笑顔は本当にいつも通りで、エルはなんだか一人で浮かれているような気がして、慌てて根元に土を被せた。

(…あんまり負担にならない約束で良かった…)

 ほっと胸を撫で下ろす。そんな機微まで、この苗木は記憶してしまうのだろうかと思うと、ちょっとこそばゆい。
 埋めた根元をゆるりと撫でると、空き地を風が吹き抜けた。襟元から侵入する寒気にぶるりと震えるダンテ。

「…ごめんね。なんか、貸すのが恥ずかしくて」

 自分には必要の無いマフラーは、寒がりの恋人のために用意していたもの。
 誘ったのは自分なのに寒い思いをさせてしまったことが申し訳なくて、充分に温まったマフラーを恋人の襟に巻く。

 勇気を振り絞ったのだろう、真っ赤な顔をして小指に触れた手を──お礼の言葉の代わりに、指を絡めてしっかりと握り返す。
 それが今の、恐らく二人の精一杯。
 鼓動が伝わらぬよう祈りながら、恋人として繋いだ手に頬が緩んで、言葉が途切れる。

 今年はもう終わってしまうけれど。
 嬉しそうに綻んだ頬は、零れた笑顔は、きっと来年も変わらない。

 ──来年はもっと一緒にいろんなところに行けたらイイな。

 いや、きっと行こう。
 繋いだ掌が伝える温もりは、常にそこにあるのだと。そう、誓ったばかりなのだから。

「ところでエルさん。一番近くって、なんかエロいですよネ」
「………く、ないッ!!////」
COMMENT (0)  TRACKBACK (0) 

COMMENT

Comment Form


秘密にする
 

TRACKBACK

TrackBack List



Copyright © LUNISOLAR All Rights Reserved.
テンプレート配布者:サリイ (素材:ふるるか) ・・・ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。